PC-100

NECからPC-98と時を同じく(正確にはPC-9801Fと同時)に登場した16bitパソコンです。

 

バリエーションは未確認なものも含めると、モデル10~30に加えS,SF2/SF3、海外向けのZD-3100/F/Hのというタイプを加えて計4機種9モデルが展開されているものと思われます(ちなみに型番が面白くてモデル10~モデル30はPC-10010~PC-10030なのにSFはPC-100SFといった具合に大らかな採番がされています)。


1.外観

非常にコンパクトです。ほぼ同時期に発売された、PC-9801EFDD未搭載)より一回り小さく、FDD2台搭載したPC-9801F65%の容積しかありません。

 



2.内部

本体カバーを開けると、コンパクトな筐体にFDD2台と電源が所狭しと配置されています。

拡張スロットは4本あり、左端はカラーボード専用、右端には漢字ROMの小さな基板が挿さっています。

マザーボードにアクセスするためにはFDDと電源を取り外す必要があります。

右の画像はマザーボードです。PC-100ではASIC(特定用音向け集積回路)を積極的に採用しています。



3.オプションボード

PC-100には拡張スロットが4スロットあり、ここに以下の3タイプのボードが挿さります。

タイプ 標準/オプション 備考
 カラーボード

モデル10/20 オプション

モデル30/SF 標準

 コモンスロット、カラースロットの2スロットで構成される

カラーモード時、緑、赤、輝度のプレーン(青は本体側)を担当するボード

汎用ボード

オプション

コモンスロット

メモリ、2HD-FDD-I/F、HDD-I/F他の拡張ボードがある

漢字ROMボード

標準(サードパーティ、

同人ボードあり)

コモンスロットだがスペースの関係でボードのサイズが異なった専用スロット

標準搭載だがJIS第二水準漢字を搭載したサードパーティor同人ボードあり

Type1:カラーボード

Type2:汎用ボード

Type3:漢字ROMボード



4.メンテナンス

実施内容 備考 詳細ページ
1 電解コンデンサの交換 電源、マザーボードの電解コンデンサの交換 詳細はコチラ
2 バッテリーの交換 逆電流対策をしたうえで一次電池への交換 詳細はコチラ
3 FDDの換装 搭載FDDが故障している場合 詳細はコチラ
4 カラー→モノクロへモード変更 カラーボードが故障している場合 詳細はコチラ

5.動作の為の環境整備

実施内容 備考 詳細ページ
1 RGB変換ケーブル作成 D-SUB9ピン→D-SUB15ピンへの変換 詳細はコチラ
2 キーボードケーブル作成 PS/2ケーブルを簡単な加工で活用 詳細はコチラ
3 他機種用マウスの活用 PC-98・N5200用マウスの活用 詳細はコチラ

5-1.RGB変換ケーブルの作成

PC-100のRGBコネクタは独自形状(D-SUB9PIN)の為、変換コネクタが必要です。

ピン 内容 純正Cの線色・備考
1  R
2  G
3  B
4  H-Sync
5  V-Sync
6  GND オレンジ
7  GND
8  GND
9 SENSE

黒(OPEN:横 L:縦)

※純正C=純正のRGBケーブル

RGB端子の9PINがディスプレイの縦横を検出する端子になっています。Lで縦モードになります(オープン時は横です)。具体的には水銀スイッチをLCDの背面に貼り付けています。


初代変換ケーブル

PC-100の本体側のコネクタ部分のパネルの縦幅が狭いために市販のコネクタにブーツをかぶせるとブーツが邪魔でコネクタが刺さりません。そこで写真のような中継コネクタを使用します(普通のパーツショップで売っています)。

二代目ケーブル

PC-100純正のRGBケーブルを使用した変換ケーブルです。RGBコネクタの変換の他、SENSE(縦横置き判別信号)を引き出しています。傾斜スイッチをつけることで液晶の回転に同期して画面の縦横を切り替えられます。


5-2.キーボードケーブルの製作(簡易版)

パソコン棚にPC-100を納めたくて長めのキーボードケーブルを作ろうと思ったのですがPC-100のキーボードは不思議がいっぱいです。ケーブルは両端、同じコネクタなのですがなぜかキーボードと本体ではコネクタが異なります(キー:ミニDIN6PIN、本体:同9PIN)。意味わかんないです。どうしようか悩んだのですがとっても簡単な方法がありました。

用意するのはPS/2ケーブルです。そのままではミニDIN9PINの方が刺さらないのですがオスコネクタの真ん中にあるプラスチックの出っ張り(ガイド)を小型のラジオペンチか何かで折ってしまってください。これだけで即席のキーボードケーブルが出来上がりです。

5-3.他機種用マウスの活用

PC-98のバスマウスを活用する(変換ケーブルの作成)

PC-100のマウスとPC-98のマウスはコネクタ形状が異なるだけで変換コネクタを作れば流用が可能です。

② N5200のマウスを接続する

N5200のマウスはPC-100にそのまま接続できます。ボールがゴムの為、純正マウスよりもスムーズに動きます。



6.機能強化

6-1.FDDの2DD化

PC-100はハードウェア(搭載FDD除く)、BIOSやBOOTローダでは最初から2DDに対応しています。この為、標準のFD-55B-06-U(2DD)を2DDのFDDに換装し簡単な設定変更を実施する事で2DD化できます。

① 本体側の設定

PC-100のFDは簡単な設定変更で2DD化が可能です。

  OFF ON
S1-1 2D  2DD
S1-2 FDD2台 FDD1台
S1-3  白黒  カラー
S1-4    

※2DD化したPC-100でも2DのFDは読み取れますがBOOTはできなくなるので2DDのシステムを作成しておく必要があります。

② 利用できるドライブと設定

TheBasicで掲載されたときは松下のJA-561を推奨していましたが現在入手は困難です。そこで現在入手できる可能性があり、且つ利用可能なドライブを紹介します

※モデル20では松下製ドライブ、モデル30ではTEAC/NEC製ドライブをチョイスしてください。

型番 メーカー 確認した設定等

 FD-55F-03-U

(FYD051)

TEAC   

(NEC)

 PC-9801Fから外したドライブでチェック。1ドライブの設定はそのままで可。2ドライブはDS1→DS2に切り替える。

MF353C-152MY

MITSUBISHI ELECTRIC

3.5インチ、動作は未確認だが入手した個体に内蔵されていたために使用可能と判断

FD1035

NEC

PC-9801U搭載のドライブです。

JU-363-06

松下

オークションで入手のPC-100に実装してあった。整備後動作確認OK

6-2.2HDのFDDドライブを接続する

2HDのFDDを接続する方法としてはFDDボードFDI-100を使用方法、ITEM製SASI-2HD複合ボードを利用する方法(先人に感謝!)があります。FDドライバはPC-9881.sys、FORMATはformat8.COM(FORMAT1.COM?)を使用します。2HDのFDDは原則SASI-HDDが搭載されていることを前提としており2HDドライブがFドライブ以降から始まることを前提として作られています。

①FDI-100

ケーブルのピンアサインはPC-98の1MB FDD-I/F(50PIN)のNCと沢山あるGNDを整理して36PIN化したものです。

 

ITEM製SASI-2HD複合ボード

FDDは34PINのフラットケーブルで接続します。注意ポイントとしてはフラットケーブルの2PIN(MEDIA-SELECT)をカットしてドライブ側をPULL-UPする必要があるようです(プルアップしないとファイル読み込みでエラーになります)。

6-3.ハードディスクを増設

HDDの普及期前に登場したPC-100は残念ながらこの領域は熟成していないようです。

起動はFDDからでHDDはドライバを組み込んで使用します。HDDからのブートはできません。

① SASIのHDDを接続する(メーカー純正)

純正ボードPC-10000-08に最大10MBのHDDを接続できます。取り扱いできるHDの容量は10MB、5MBの2種類(未確認情報)です。

利用には純正SASIドライバ「PC-98H.SYS」の組み込みが必要です。

変換番長Pro、RaSCSI(1.51/1.52)の接続を試みましたがFORMATの途中でが発生して先に進めません。

②SASIのHDDを接続する(サードパーティー)

Item社がSASI-I/F(2HD-FDDの複合ボード)とドライバ、FOMATユーティリティまで提供してくれています。

ドライバ:MXDRV_10.SYS

FORMATユーティリテ:MXDRV_10.EXE

※ユーティリティのHELPではSCSIの記述がありますがSASI接続の認識です。

・RaSCSI(1.51)で初期化、領域確保、領域のアクティブ化まで確認しています。

※MXDRV_10.SYS組み込み時「固定ディスク装置は認識できませんでした。」がでてもそのまま進めて大丈夫です。

・変換番長Proはドライバーがうまく認識できないようです。

③SCSI-HDDを接続する

 98+2で作成されたSCSI-IFを使用してSCSI-HDDを増設します。

HDDは4.3GBバイトまで接続の実績がある事、1パーティションのサイズは32MBである事、ドライブの最大数は16であることを98+2に参加されていた方にご教授いただきました。

 

FORMAT TOOL:SFDISK

 

※FORMATの流れは下記を参照

A>SFDISK↓

HDD/MO format and partition utility for ASPI 1.0

 copyright by Tsuru-Zoh, Nov.21,1992

 

Terget No.0 : HA #0,SCSI-ID 0 NECLPO0 PC-100cPC.org     CCS1 Rigid

 

Select terget number( 0 to 0 ) :

 

You selected HA #0,SCSI-ID 0 NECLPO0 PC-100cPC.org     CCS1 Rigid

Are you sure ? (Y/N) : Y↓

 

Total capacity is 471MByte.

Do You wish to use the maximum available size for Single partition ? (Y/N) N↓

 

How many partitions do you want ? 12↓


8.メモリボードの設定

8-1.256KB拡張メモリ(PC-10000-05)の設定

PC-10000-05は128KBの拡張メモリを2SET搭載していてメモリのどこにマップするかもそれぞれに設定(SWをON)します。設定の詳細は下記の通りです。

DIP SWITCH番号 絶対アドレス 容量
S2 S1
1 7 20000H~3FFFFH 128Kバイト
2 8 40000H~5FFFFH 128Kバイト
3 9 60000H~7FFFFH 128Kバイト
4 10 80000H~9FFFFH 128Kバイト
5 11 A0000H~BFFFFH 128Kバイト
6 12

9.ソフトウェアについて

9-1.OS

PC-100のMS-DOSは正式リリースおよび有志による独自移植を含めて複数バージョンがあります。

ソフトウェア バ―ジョン
 MS-DOS.SYS  2.01、2.11、3.1
IO.SYS 1.1、1.2、3.2
COMMAND.COM 2.10、2.11、2.11V、3.10

①MS-DOS2.01

製品バンドルのOSです。2Dで提供されていますがやはり少々窮屈です。

②MS-DOS3.1

パワーユーザによる移植物です。現状はまだ詳細は不明です。


9-2.GAME

LODE RUNNER

N-100BASICのフォルダに「GAME.EXE」の名前で入っています。