NeXT

~亀のように一から調べて学んで動かす黒くて四角い夢の塊~


1.特長

アップルを追われたSteve Jobsが立ち上げたNeXT社が送り出したワークステーションです。サイコロのような黒い筐体に5インチMOを搭載、ケーブル1本でCRT本体の間を結び、Display Postscriptで画面表示を行い、

Mach(UNIX)をベースにしたNeXTSTEPの搭載等テンコ盛りでアイディア満載です。

左のN1000AはコンピュータメーカとしてのNeXT社の末期に登場しました。5インチMOをオプション化しFDを搭載という現実を踏まえた仕様変更がなされています。

また、NeXTには途中からピザボックス型のStationが追加されました。写真は最上位機種のTurboColorです。カラー表示をサポートし、MPUもMC68040 33MHzにパワーアップしました。キーボード・マウスも独自からMacと同じADB端子で接続できるようになっています。この機種以降、NexTはハード開発から手を引きソフトウェアに特化した活動をしていきます。

2.動作に必要な物

NeXTは特長にも書いた通り、各コンポーネントの接続方法が独特です。専用のCRTを使用しない場合は、本体、サウンドボックス、Y字ケーブル(+CRT変換ケーブル)、キーボード(これに電源スイッチがついててる⇒本体には電電スイッチがない・・・)が必須です。しかもCubeとモノクロのStationは19PINのDINプラグというアキバでもまず手に入らない特殊コネクタです。カラーのStationやdimensionボードはディスプレイ端子がDIN-19PINから13W3(PIN配置はSUNと違うから要注意)に変更になっています。それだけならまだよいのですがH-SYNCとV-SYNCが1本で出ているので同信仰から同期信号を分離する必要があります(モノクロ版は最初から分離されていますので単純な変換ケーブルで大丈夫です)。私は上の写真のような簡単な同期信号分離アダプタを作りました。ちなみにモノクロ版は自作したくてもコネクタが手に入らなかったのでebayに出ていたY字ケーブル(15PIN3列DINの同人ハード)を輸入しました。


(1)-1ビデオモニターインターフェイス(モノクロ)

PIN 信号 PIN 信号
1 +12V 11 +12V
2 -12V 12 -12V
3 MON CLK 13 GND
4 MON DATA OUT 14 GND
5 MON DATA IN 15 GND
6 MON PWR SWITCH 16 GND
7 NC 17 GND
8 VSYNC 18 GND
9 HSYNC 19 GND
10 VIDEO    


(1)-2ビデオモニターインターフェイス(カラー)

PIN 信号 PIN 信号
1 +12V 8  GND
2 PWR SWITCH 9 GND
3 MON CLK 10 GND
4 MON DATA OUT A1 RED
5 MON DATA IN A2 GREEN
6 -12V A3 BLUE
7 GND shell GND

※同期信号はSync on Green(だったと思う)なのでLM1881Nサンプル回路ほぼそのままの同期信号分離アダプタを作りました。

 

↑ちゃんと動いていると思いましたが怪しい。偶然動いていただけのような気がします。LM1881Nではだめなのかもしれません


(2)SOUND-BOX・キーボード

SOUND-BOX型番 使えるキーボード 使える機種 識別方法
N4004 NeXTキーボード 全機種 ROM V74未満
N4004A NeXT ADBキーボード Turbo系 ROM V74以降

3.SCSI機器の接続

(1)推奨SCSI-ID設定

NeXT Cubeのサービスマニュアルによるとメーカー側が推奨するSCSI-IDの振り向けは下記のとおりです。内蔵のHDDはなぜか0ではなく1です。

ID 備考
0 外付けSCSI-HDD(ブート用ドライブ)
1

内蔵SCSI-HDD(ブート用ドライブ)

2

増設SCSI-HDD

3

SCSI CD-ROMドライブ

4

PLI製外付けSCSI-FDD

5

その他のSCSIデバイス

6

増設SCSI-HDD

7

NeXT Cube本体

 

(2)HDDの接続

利用できいるHDDは若干偏りがあるようです。手持ちのHDDではSAMSUNGのPLS-3085SやCFをSCSIから利用するAztecMonsterはNGでした。NECやQuantumはOKでした(なんでもいいかは不明です)。他のHPを見ていると容量は2GB以下がよいように思えます。ちなみに3.3Jですと0.5GBくらいはOSが消費するので私は1GB~2GB位のSCSIHDDを探すようにしています。NeXTSTEPをインストールするためには事前にNeXT FORMATでHDDが初期化されている必要があります。いったんSCSI-IDを2に設定し別のNeXTマシンでFORMATを済ませておきます。

(3)CD-ROMの接続

純正はもちろんですが外観が全く同じのAppleCD150やPanasonicの**は利用できるようです。SCSI-IDは4に設定します。

4.NeXTSTEP3.3Jの再インストール

(1)ROM MONITORのチェック

日本においてNeXTは大学を中心とした教育用に多く導入されたと聞いています。そのせいかはわかりませんが中古で入手したNeXTについてROM MONITORの動作を制限するHARDWARE PASSWORDが設定されているケースが少なくありません。ROM MONITORのコマンドを入力した際に「PASSWORD:」と表示されるケースがそれです。このような場合は少し乱暴ですがケースを空け、バックアップ用の電池をいったん外してあげることでクリアできます。 

(2)インストール

ROM MONITORから「bfd」とタイプいただくことによりインストールが始まります。途中に言語の選択等何回かキー入力が求められますが特に迷うことなくインストールが完了しNeXTSTEPが起動します。

5.2000年問題への対処

インストール直後にカレンダを設定してもすぐに元に戻ってしまうことに気づきます。最初はバックアップ電池の不具合だと思ったのですがこれはソフト的な不具合「2000年問題」です。解決にはUPDATE1(日本語用)CDが必要になります。